こんにちは。元携帯ショップ店員のperoです。
先日、2020年1月9日にドコモショップで起きた、客に対して「クソ野郎」という本来ならあってはならないメモが実際にそのお客さんの手に渡ってしまったという事件がメディアで報道され、又SNSが炎上したのも記憶に新しいところです。
内容は各メディアにも取り上げられているし、実際のメモの写真がSNSにも上がっているので、当サイトでは今回は取り上げません。
代わりにメモに一緒に書いてあった「Disneyはベタ付け」、「いちおしパックをつけてあげて下さい」という内容に付いて元携帯電話ショップ店員の立場から少し解説していきたいと思います。
オプションで儲かるドコモショップ
ドコモにはいくつかの月額サービスがあります。動画配信の「dTV」、音楽配信の「dヒッツ」。数あるオプションの中に、今回問題のメモに出てきた「DisneyDELUXE」と「いちおしパック」というサービスもあります。
実は最近のドコモショップの儲かる源になるものといえば、そういった「オプション」の契約。スマホの販売台数や、ネットの契約回線数も当然ですが、特にノルマとして重要視されているのがオプション契約です。
皆さんもドコモショップへ行った時、アンケートなどで「普段映画は見ますか?」とか「音楽は聴きますか?」などと行ったアンケートを書かされた体験があると思います。
実はそのアンケート回答を見て、ショップスタッフがオプションの提案にくるわけです。
あまりにもあからさまなアンケートなので書きたくなくなっちゃいますが、最近はそのアンケートも色々研究して、「少しでも書いてもらえるように」「オプション契約できるように」、日々進化しているんです。
実は数年前までは、機種購入で強制的にオプションをつける店舗が多かったです。
「オプションをつけないと機種変更はできません」というめちゃくちゃな店舗もあれば、「これらのオプションを1ヶ月の間契約してくれると、本日の頭金は0円になりますよ〜」という店舗もありました。
でも実際頭金が5,000円に対して、オプション全てを1ヶ月契約すると5,000円以上したりする場合があります。
もちろん断ることもできるんですが、その場合頭金が発生したり、もともと案内されていた金額が頭金なしの金額で、追加で頭金代が発生したりしました。
しかし最近では、強制的なオプション契約禁止、オプションによる頭金値引き禁止など規制がかかって、ほとんどの店舗ではそういうやりとりはなくなりましたね。
ですので、アンケートによるオプションの価値を提案したり、プラン見直して安くなった分でオプション契約してもらおうとする店舗が多いわけです。
それだけドコモショップにとってオプション契約というのは重要なのです。
一括請求子回線だけでの来店は要注意!
今回例のメモに「親代表の一括請求の子番号です つまりクソ野郎」という表現がありました。
メモの下の方にも書いてありましたが、親が支払いしているので自分自身はお金に無頓着。つまりドコモショップ店員にとっては「いいカモ」です。
スマホやケータイの契約者は自分自身だけど支払いは別の人の場合、ショップ店員はどんどんオプションの提案をしてきます。
なぜなら、オプションを契約してもそのオプション代の支払いはあくまでも「別の人」。契約者自身はなんの痛みもなくオプション契約ができてしまうわけです。
そんな「いいお客様」をショップ店員は逃しません。言葉巧みに様々なオプションを提案してきます。
もちろんオプション自体が悪いものとは言いませんし、自分にとって「これは使えるな〜」と思うオプションなら契約してみる価値はあると思います。
ですが、今回の場合のような「支払いは別の契約者」の場合、一つでもオプション契約を獲りたいショップは次々に提案してきます。「dTV」がダメなら「dヒッツ」、それがダメなら「いちおしパック」と。ドコモには無数のオプションがありますのでどれか一つ契約しないとなかなか帰してくれなかったりする店舗もあります。
そんな時は「支払いは自分じゃないのでオプション契約は支払い者に電話で確認します」と言えばわりと簡単に解放してくれます。
というのも普通に断った場合、ほとんどのオプションは初回31日間無料で「もし必要なければ31日以内に解約すればいい」と言われ最終的には契約させられる場合が多いです。
今回のメモには「新プランにかえて、Disneyはベタ付け」とあります。
つまり、「新プランに変えれば月額〇〇円安くなるので、浮いた分でDisneyDELUXEを契約しましょう。それなら支払い者にも迷惑をかけずにDisneyDELUXEが楽しめますよ」というのが今回のセールス内容になります。
ショップ店員は今回のような場合、「子番号が勝手にオプション契約をしたことで、支払い者の月額料金が高くなり、後から支払い者からクレーム」というのを恐れています。
ですので、「支払い者に確認」をすること。これが重要です。
過去にベタ付けされたオプションが契約されたままかも!?
先ほども少し紹介しましたが、数年前まではドコモショップでは機種販売時にいくつもオプションをベタ付けしている販売方法をしてきました。
しかもノルマのために、最低1ヶ月は契約をする条件に販売したりもしていました。
つまりサブタイトルにも書きましたが、過去にベタ付けされたオプションがまだ付いてる可能性もあります。
1つのオプションが500円として、それが2,3個契約されていれば1,000円、1,500円ということもあります。過去には1ヶ月合計5,000円ほどベタ付けされたままで、それが3年も契約されたままというユーザーもいたそうです。
これらのオプションはドコモショップやインフォメーションセンター、オンラインで確認をしたり解約ができますので不安な方はぜひ契約状態を確認してみましょう。
ちなみに、「店舗オリジナルオプション」というものがあります。
「月額ニュースサイト」や「月額天気予報」など、いわゆる他社の月額サービスです。
ドコモの「dTV」や「DisneyDELUXE」「いちおしパック」などとは別に、当時一緒にベタ付けされていたりします。
これらはインフォメーションセンターでは解約できません。オンラインで解約するか、“契約した店舗”で解約する必要があります。契約した以外の店舗へ解約のお願いをしに行くと、「当店のサービスではないからわからない」と言われたりする可能性もあります。
まとめ
ドコモショップはケータイ屋さんの中では丁寧な接客を心がけていて、他のキャリアの接客と比較しても少しはその違いがわかるかと思います。
しかし、どれだけ丁寧な接客をしても所詮は商売のためにショップは営業しています。
営業するかぎりお店は儲けなければなりません。そして、その儲けの根源となるのは私たち「客」になります。
ショップ店員はスマホやネットの知識も蓄えていますが、何より「販売」に力をいれています。どうすれば契約できるか?ひとつでも多くのオプションを付けるにはどうすればいいか?日々訓練や勉強、ロールプレイング、さらには試験などをして販売力を高めています。
それに対して我々消費者は、本当に必要な商品やサービスはどれかを見極める力が必要です。相手は販売のプロですので、こちらも覚悟して商品やサービスの見極めが重要です。
最後に今回のような事件がありましたが、決してドコモショップの販売や営業が悪いという訳ではありません。
また全てのショップがみな同じことをしているという訳でもありませんことをここにお断りさせていただきます。
携帯の契約に関してはいまだに不透明な部分が大きく、契約プランの複雑さや契約期間の縛りなど、我々消費者が理解するにはまだまだ程遠い状況であるには違いありません。
度が過ぎた販売方法や、見えてはいけないドコモショップの本音が見えてしまうのは消費者としても不快に感じます。
最高の販売や接客までは求めませんが、最低限のモラルやマナーを持った販売や接客をお願いしたいものです。
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